MATSUのごくありふれた平凡な日々

縁側へコップや皿、山盛りのちくわの磯部揚げを運ぶ。

「祖母が、どうぞごゆっくり、だって。
 年寄りだから挨拶は遠慮しておくって」
「気を遣わせちゃったわね」

美紀が呟くと、松は苦笑いをした。

「だけど、いくらなんでも、くつろぎ過ぎじゃないですか?」

暁が縁側に足を投げ出して座っている松を横目で見る。

「そうですよ~。
 イケメン二人がいる前で、スエットに着替えてくるって、どういう神経ですか」

瑠衣がすかさず便乗する。

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