MATSUのごくありふれた平凡な日々

どれもこれもうるせーよっ、とやっかみながら、妙に冷めていた。

脱税してたとしても、ただちに倒産ではないだろう。

ってか、経理部の上層部が関わっていることは間違いないのだから、対応で忙しくなるかも。

とりあえず、やる予定だった仕事を引っ張り出す。

「秘書課の本宮がリークしたって、今、秘書室が大変なことになってる」

美紀のことだ。

松は跳ねるように立ちあがると、駆け出した。

頭の中が無となり、ひたすら秘書室階まで階段を駆け上がる。

秘書室長の怒鳴り声が響いている中、美紀は秘書室長の前に凛として立っていた。

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