MATSUのごくありふれた平凡な日々
「大丈夫か?」
「うん」
美紀にしては弱った声で答えると、床に散乱している書類を拾い始める。
暁も追ってしゃがむと、手を貸す。
「ありがと」
美紀がぽつりと言った。
暁は手を止めて、ふっと笑ってからかうように言う。
「おまえとの仲じゃないの?」
美紀はあきれたように、ちらりと見た。
「相変わらず、バカじゃないの」
愉快そうに暁が小さく笑った。
少しずつ去っていくギャラリー越しに、松は二人の様子を眺めていた。
なんだか、な。
はふっと息を吐くと、二人に歩み寄り、一緒に書類を拾う。