MATSUのごくありふれた平凡な日々
11.
*
それから夜の遅い時間だっていうのに、知らない人の家にまで行った。
すごく立派な家の外で、暁が出てくるまで3人でほけーっと待っていた。
寒かった。
吐く息が霧のように上がっては消えていくのを、うんざりするほど眺めていた。
酔いが醒めて、体が冷えて、凍死するかと思うほど、待って。
やっと出てきた暁に、殺す気かと迫って、4人で居酒屋に繰り出し、おごらせた。
良く分からないが、なぜかお祝いのように盛り上がって、みんなでしこたま飲んだ。
たぶん、一人まともだったのは、悔しいことに暁だけだった気がする。