綾川くんが君臨する
「さあたん、足首なんか浮腫んでない?」
放課後、リカちゃんに指摘されてぎくりとした。
廊下で転んでから約4時間が経った現在、ちょっとひねっただけのはずだった左足首はパンパンに腫れきっている。
歩くのはもちろん、立ち上がるだけでも痛い。
なんならじっとしてても鼓動に合わせてズキズキと疼いて、授業にもなかなか集中できずにいた。
「まじどうした、着圧ソックスいる? いやそれでどうにかなるレベル超えてるな」
「えっと……じつは昼休みに廊下で転んじゃって、そのときにグキッと……」
「??? 転んだだけでそんな腫れんの?」
「わ、わたしもまさかここまでなるとは思ってなくて……」
口をあんぐり開けるリカちゃん。
その後ろから、ふいに風間くんが顔を覗かせた。
「わあ、すごい腫れだね」
「え、ねーやばいよね絶対病院行ったほうがいい。風間、今日さあたんに付き添ってあげれたりする?」
わたしが答えるより先に、リカちゃんがそんなことを言う。