急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

もう…鈍感な亜里砂にも、さすがにわかっている。

若様は…本気で自分のことが好きなのだ。

(ダメだ…甘過ぎる…。最初の駄目さとのギャップがあり過ぎて…若様とどう接したらいいのかがわからない…)

いくら心が揺れにくく、人にあまり執着もなく…恋愛脳でもないため、これまで恋をしにくかった亜里砂と言えども、毎回自分と会う度に、仔犬のように心の底から嬉しそうな顔をされれば、情にも絆されるというものだ。
しかも、大也からは既に好意を告げられていて、尚且つ求婚までされ、返事をせずに逃げている状態なのだ。

駄目男と決めつけ、大也を男として全く意識しないでいるうちは、ズケズケと言いたい放題言えていた亜里砂だったのだが…。
告白などされ、いざ少しでも男として意識し始めると、どんな距離で、立ち位置で、大也と話したら良いのかが、全くわからなくなっていた。



「どうしよう…。どうしたらいいの?」

デスクに突っ伏して、亜里砂がまた深く長い溜息をつくと、美幸が心配そうに訊いた。

「あーちゃん、大丈夫?もしかして…アイツに会って…なんかされた?」

「いいえ。何かされたという訳じゃないんですが…心臓にちょっとくるというか…会う度に動悸が激しくて…って…え⁉︎」

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