急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「やだ!もしかして会ったの⁉︎池澤公平に!」

「あ!そっちですか!いいえ!会っていません!会ってないです!」

「そう、なら良かったわ」

(やばい!私…池澤のことをすっかり忘れてた…)

伯母の美幸は二年前、亜里砂の結婚式や披露宴にも参列しており、当然、その披露宴で何があったのかも、目の当たりにしている。

元々、子供のいない伯母夫婦は、甥や姪である亜里砂やその兄弟妹たちを、小さな頃からとても可愛がってくれていたのだが…。

あんな事があり…結婚式後に池澤と暮らすはずだった新居に帰れなくなった亜里砂を、美幸は暫く自分の家に住まわせていたため、亜里砂が前の会社をクビ同然に放り出された顛末も全て知っていて、海外にいる実の両親以上に亜里砂の事を特別に気にかけ、とても心配してくれていた。

住所不定、無職となった亜里砂を…会社を立ち上げたからそこで働け…と半ば強引にベリー・マリアージュ・サービスに再就職させ、今住んでいる、ベリーヒルズビレッジ近くの女性専用マンションを探し、社宅として借り上げてくれたのも美幸だ。

挙式当日にあのような形で破談になり、結婚に対して嫌なイメージしか持てない亜里砂に、よりにもよって結婚相談所で働けとは『鬼か!』と当時は思ったりもしたが…二年経った今では、とても感謝している。

そんな美幸には、あの池澤公平がベリータワーに赴任する事を、柳谷に聞いた翌日には伝えていたのだが…。

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