急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

「わッ!若様⁉︎」

「誰だ⁉︎お前!」

「亜里砂の婚約者だよ。俺たちはもうすぐ結婚するんだ。な、亜里砂」

走ってきたのだろうか…。
大也の息が僅かに上がっていることに気づいて亜里砂が顔を上げた。
抱きしめられているせいで耳に聞こえる大也の胸の鼓動が速い。

(また偶然⁉︎こんな柱の陰なんかにいる私を、わざわざ見つけて走ってきてくれたの?)

そう思うと、亜里砂の鼓動もドキドキと…大也につられて同じように速まった。

(婚約者って…まだ返事をしてないのに…。
でも助けてくれているのよね。じゃあここは、話を合わせておかなきゃ…)

「ええ…」

愛しげに微笑む大也に向かってコクリと頷く。

「迎えに来てくれたの?嬉しい…」

亜里砂はニッコリ笑って言い、大也の胸に頬をそっと寄せた。

「!」

大也が一瞬目を大きく見開き、次の瞬間…我慢できないとばかりに、亜里砂の額にキスを落とした。

(若様!やり過ぎです!)
亜里砂の頬がかぁっと赤く染まる。

大也はそんな亜里砂を一層強く抱きしめてから腕を解いた。すぐに亜里砂を自分の背中にさっと隠し、二人を燃えるような瞳で憎々しげに睨みつけている池澤に向き直り、黒曜石のような涼しい瞳を光らせ言う。

「ご覧のとおり、亜里砂は俺の婚約者だ!
わかったか?なら、もう二度と彼女に近づかないでくれ」

「だっ…黙れ!そんなの嘘だっ!帰国してすぐに興信所に調査させたが、亜里砂に婚約者などいなかった!亜里砂は俺のものだ!なに横から出てきて勝手なこと言ってるんだよ!関係ない奴が、俺たち二人の邪魔をするな!さあ亜里砂、こっちに来るんだ!」

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