急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

「嫌っ!」

亜里砂の小さな叫びも聞こえていない池澤は、うっとりしたような顔で亜里砂を見つめ、背けた亜里砂の顎に指をかけ、グイと強引に自分の方に顔を向けさせた。

「亜里砂、今の仕事を辞めて俺の所に来い。君に『お見合いババア』みたいな仕事なんて似合わない。君の能力を全然活かせていない今の仕事には、君だって満足していないだろう?俺と結婚して、俺の仕事を傍で手伝ってくれれば、俺が君の語学力を思う存分揮わせてやる。亜里砂が公私共に、俺の素晴らしいパートナーになってくれる姿が目に浮かぶよ」

「私には浮かびません!あなたと結婚や仕事なんて、絶対にしないわ!」

「何を言ってるんだ?あの女も居ないし、今度こそ一緒になれるんだ!俺にはもう、君が居ない未来なんて想像できない!」

「無理です!離して!大声を出しますよ!」

「亜里砂!俺がこんなに言ってるのに、どうして頷いてくれないんだ!あの時は折れて頷いてくれたじゃないか!」

池澤が亜里砂の両肩をガクガクと揺さぶった。

「君が何を言ったって、君はあの頃も!今も!ずっと俺のものなんだ!」

(嫌だ!怖いっ!)

亜里砂が思わずギュッと目を瞑った時…。


「悪いな…お前のじゃない。これはもう俺が予約済みなんだ…。女が必要なら他の誰かをあたってくれ」


亜里砂の肩を掴んでいた池澤の手が、横から伸びてきた手にいきなり叩き落とされると、その手が亜里砂の腕を力強く引っ張り、次の瞬間…亜里砂は広くて暖かい胸にぎゅっと閉じ込められていた。

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