急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
パタン……

特別室のドアが閉まると、亜里砂は夜の病院ででき得る限りの早足で歩き出した。


詰んだ!詰んだ!詰んだ!
ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!!
どうしよう!どうしよう!
やっちゃった!やっちゃった!やっちゃった!
なんで!なんで!なんで⁉︎
なんで〜ーー自分⁉︎どうしちゃったの自分⁉︎


病院を出た後、走るようにしてベリータワーに戻りながら、亜里砂の目に涙が浮かぶ。

こんなに感情がコントロール出来なくなったのは、物心ついてから初めてだった。

どうしてこうなったのかさっぱりわからない。
ただ…大也のモラハラプレゼンを聞いていたら、途中から腹が立って腹が立ってしょうがなくなって…。

気づけば『ベリーの若様』の横面を張って、よりにもよってあの一護金持の前で捲し立ててしまっていた…。
あの場で話が出た父や兄に、今後迷惑がかかってしまう事があるのではないか…。

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