北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
凛乃の抗議を「人助けよ?」としれっと流し、母親は累の答えを促そうとした。
一瞬早く累の腕を引いて背中を向けさせ、凛乃は累を見上げた。
「ごめん、無茶苦茶で。もう帰ろう」
「でも、それじゃマイナスのままだ」
つぶやく累は、もう決意しているような目をしていた。
凛乃も累の真意を察して、すっと冷静になった。
わだかまりがある状況で、無理難題を吹っかけられたのだ。もう引っ込みがつかないはずの母親の顔を立てれば、態度が軟化するかもしれない。
話し合ったところで折れられない凛乃より、ここは累に任せたほうがいい。
「電話をかけさせてください」
累は母親たちに断ると少し距離を取り、ぼそぼそと短い電話を終えた。
ふりむいた累を、全員の目が待ち受ける。
一瞬早く累の腕を引いて背中を向けさせ、凛乃は累を見上げた。
「ごめん、無茶苦茶で。もう帰ろう」
「でも、それじゃマイナスのままだ」
つぶやく累は、もう決意しているような目をしていた。
凛乃も累の真意を察して、すっと冷静になった。
わだかまりがある状況で、無理難題を吹っかけられたのだ。もう引っ込みがつかないはずの母親の顔を立てれば、態度が軟化するかもしれない。
話し合ったところで折れられない凛乃より、ここは累に任せたほうがいい。
「電話をかけさせてください」
累は母親たちに断ると少し距離を取り、ぼそぼそと短い電話を終えた。
ふりむいた累を、全員の目が待ち受ける。