北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「信じられんなー」
久しぶりに会った元同僚はそう言って、ジンジャーエールのグラスをごん、とテーブルに置いた。
「断り切れずに始めた住み込み家政婦の雇い主と結婚? いくら自棄になってたにしても、凛ちゃんもうちょっと慎重だと思ってた」
ちょっと怒ったような反応に、凛乃は苦笑を返した。
加乃子は、前の手痛い失恋の経緯を洗いざらいぶちまけた相手だ。派遣と社員の関係なら、もう二度と会うこともないと思ったから。
でも加乃子は、それからもずっと凛乃のことを気にかけて連絡をよこしてくれた。
信じてもらえないのは残念だけど、心配してくれているのは感じる。喉を通るレモネードの甘さが、よけいに染みた。
久しぶりに会った元同僚はそう言って、ジンジャーエールのグラスをごん、とテーブルに置いた。
「断り切れずに始めた住み込み家政婦の雇い主と結婚? いくら自棄になってたにしても、凛ちゃんもうちょっと慎重だと思ってた」
ちょっと怒ったような反応に、凛乃は苦笑を返した。
加乃子は、前の手痛い失恋の経緯を洗いざらいぶちまけた相手だ。派遣と社員の関係なら、もう二度と会うこともないと思ったから。
でも加乃子は、それからもずっと凛乃のことを気にかけて連絡をよこしてくれた。
信じてもらえないのは残念だけど、心配してくれているのは感じる。喉を通るレモネードの甘さが、よけいに染みた。