北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
累は開いた扉を手で押さえながら、凛乃の背中にもう片方の手を添えて、だれもいない箱のなかへと促した。扉から離した手がレストランフロアの階数ボタンを押したときには、凛乃の背中にあった手は腰へとすべりおりる。エレベーターの壁に向かって乗り込んだはずの凛乃はその手にいざなわれてダンスするように回転して、閉まった扉に向かい合った。
流れるようなエスコートぶりにときめきながら見上げると、累は目で小さく微笑んで、覆いかぶさるようにしてキスを落とした。
凛乃の脳裏に、いつか見た洋画のラブシーンがチラつく。
エレベーターが目的の階に着いたと「ぽーん」と鳴って知らせるまでその深いキスは続いて、凛乃の腰は危うく砕けるところだった。
凛乃の口唇から離れ、開く扉に向かって顔をあげるわずかなあいだに、累の顔からはやさしい笑みがすんっと消えて、通常運転の無表情が乗っかる。
それに乗り遅れた凛乃は、上気した顔をうつむけたまま店選びをするしかなかった。
たいして経験も積んでないそんじょそこらの日本人女子には、官能的すぎるんだよね、あのキス。
思い出して、凛乃の身体はじんわり熱くなる。
流れるようなエスコートぶりにときめきながら見上げると、累は目で小さく微笑んで、覆いかぶさるようにしてキスを落とした。
凛乃の脳裏に、いつか見た洋画のラブシーンがチラつく。
エレベーターが目的の階に着いたと「ぽーん」と鳴って知らせるまでその深いキスは続いて、凛乃の腰は危うく砕けるところだった。
凛乃の口唇から離れ、開く扉に向かって顔をあげるわずかなあいだに、累の顔からはやさしい笑みがすんっと消えて、通常運転の無表情が乗っかる。
それに乗り遅れた凛乃は、上気した顔をうつむけたまま店選びをするしかなかった。
たいして経験も積んでないそんじょそこらの日本人女子には、官能的すぎるんだよね、あのキス。
思い出して、凛乃の身体はじんわり熱くなる。