独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

どれくらいキスしていただろうか。
唇が離れた頃には、葵の息はすっかり上がっていた。
ぼんやりとした頭で見上げる彼女の唇を、須和の親指がそっと拭う。

「可愛いね、葵ちゃん。顔が真っ赤になった」

「それは……柾さんのせいです。沢山……キスするから」

「そうだね」

須和は嬉しそうに微笑むと、優しく彼女の身体を包み込む。

「まだ離れたくない。今日は泊まっていって」

「はい……」

(柾さんに抱き締められるとすごく気持ちがよくて……ずっとこうしていたい)

甘いひと時を過ごたあと、葵は導かれるようにして須和と一緒にベッドにもぐりこんだ。
後ろからギュッと抱きしめられて、彼の体温が背中に直に伝わってくる。

「柾さんの心臓の音、速いですね」

「うん、葵ちゃんとベッドにいるから」

その間……須和の足が葵の足に絡んでくる。まだ彼女と触れ合っていたいといいたげだ。

でも。

「おじさんの手術が成功するまで我慢する。なんか申し訳ないから」
「ふふっ……じゃあ、その心持ちでいますね」
「うん」

須和は愛おしむように葵の頬にキスを落とし「おやすみ」という。
そんな葵も、彼の愛情に応えるように逞しい腕をギュッと抱きしめた。

(大好きです、柾さん。ずっとこの時間が続きますように)

幸せを胸に噛み締めながら、葵はゆっくりと意識を手放していったーー。
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