独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
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「手術は無事に成功したよ」

「立さん、本当にありがとうございます……!」


病室で待機していた葵は、立の一声にホッと胸を撫でおろした。
七時間に及ぶ大手術を終えた利光は、病室のベッドで眠っている。

すーすーと寝息を立て、顔色も悪くない。
気持ちよく寝ているあたりが、利光らしいと思った。

「……立さん、お父さんを救ってくれてありがとうございました」

涙目で見上げると、立はいつもの様にやわらかい笑顔を浮かべる。

「ううん、葵ちゃんの大切なお父さんを救えてよかった。柾も一安心だね」

「はい……すごく喜んでくれると思います」

須和は今日も仕事で忙しい。
本当は葵の傍についていてあげたいと言っていたが、連絡も数時間前から途絶え、叶いそうもなかった。

「……じゃあ、僕はまだ仕事が残ってるから、これで」

「あっそうですよね、お忙しいところ来て下さってありがとうございました」

扉から出ようとする立を、葵は急いで追いかける。

「あっ、そうだ。葵ちゃん約束覚えてるよね」

「え……?」

(約束って……)

次の瞬間、グッと腕を掴まれ前のめりになった。
一瞬頭が真っ白になって、目を見開く。

(えっ!?)
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