独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
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ある日、須和の元に一本の電話がかかってきた。

『やぁ、柾! 元気にやってるかい?』

「ニッキー、ご無沙汰だね。僕は元気だよ」

声の主はシンガポールの富豪であり実業家のニッキーだ。
この男こそ、葵をシンガポールに連れて行った張本人……。
なのだが、ニッキーはとても頭が良く金を持った男だ。
葵のシンガポール店の資金援助、ブランディングや広告……何から何まで手を貸し、大成功させている。
葵にとっては、一番の恩人と言ってもいい。


『うちのベリーヒルズビレッジが三周年を迎えることになってね。世界からお得意様を呼んでパーティを開こうと思ってるんだ。柾も時間が合えば、来てくれないか?』

「パーティ……か」

『ちなみに、葵の作った新作の和菓子たちも並ぶ予定なんだよ。彼女も君が来てくれたら喜ぶと思うけど』
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