独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「よし、できた。葵ちゃん見せて」

須和は葵の肩をゆっくりと引き、身体を反転させた。
視線は、鎖骨にあるネックレスから葵の瞳へと移っていく。

「今日はいつもより飛び切り綺麗だ。
この日のためにオシャレしてくれたの?」

「……っ、は、はい……」
「嬉しいよ」

須和はそう言って、微笑みながら葵の頭をポンポンと撫でた。

(うう、もうダメだ、心臓が壊れそう……)

動揺している自分を悟られたくなくて、葵は席に戻ろうとする須和に気丈に声を掛けた。

「わ、私も須和さんに渡したいものがあるんです」
「……僕に?」

葵はドキマギしながら、用意していた紙袋から菓子箱を取り出す。

「これ、今回のお祝い用に作ったものです。よかったら召し上がって下さい」
(結構時間をかけて作ったから、喜んでもらえるといいんだけど……)

須和は嬉しそうに「ありがとう」と言って、早速箱を開けた。

「……見事だな。芸術品を見てるようだよ」
「ありがとうございます」
< 50 / 209 >

この作品をシェア

pagetop