エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「もしかして、この方が郡司先生のご結婚相手ですか?」
違います!
結婚話は浮上しているけど、まだ正式に決まったわけではない。というか、私は貴利くんと結婚する気はない。
だから、慌てて否定しようとしたものの、相変わらず空気の読めない貴利くんが答えてしまう。
「そうだ。彼女が俺の婚約者の沢木千菜さんだ」
違うでしょ!
私はまだ貴利くんの婚約者になっていない。それなのに、また一人で突っ走っている貴利くんに呆れてしまう。なんだかもう否定する気も失せてしまい、ここは大人しくしていることにした。
「千菜。こちらは俺と同じ病棟で働いている看護師の麻宮さんだ」
貴利くんが女性との関係を私に教えてくれたので、「どうも初めまして」と改めて頭を下げた。
麻宮さんも私に「初めまして」と挨拶を返してくれたものの、私にはそれほど興味がなかったのかその視線がすぐに貴利くんへと向かってしまう。その態度に、なんだかちょっと感じが悪いなぁと思ってしまった。