エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

 *

 土曜日。

 港町総合病院のロビーを歩いていると、正面から見知った人物が歩いてくるのが見えた。


「あれ? どこかで見たことある子だと思ったら千菜ちゃんだ」


 ふんわりとしたショートスタイルの黒髪に、すっきりとまとまりのある小顔。イケメンの三雲先生だ。

 初めて見たときはどことなくかけるに似ていると思ったけど、改めて見るとそうでもない気がした。三雲先生の方がかけるなんかよりもずっと爽やかでかっこいい。


「今日はどうしたの? 郡司に用事?」

「いえ。知り合いのお見舞いです」

「お見舞い? でも、梶さんならもう退院したよ」

「はい、知っています」


 館長はつい先日、無事に治療を終えて退院した。今は仕事に復帰して、以前のように働いている。


「今日は図書館の利用者さんのお見舞いです」


 そう答えると、しばらくして三雲先生はハッとした表情を見せる。


「ああ! もしかして郡司が一緒に救急車に乗ってうちの病院まで来たっていう人かな。脳梗塞の患者さんだっけ」

「はい」


 貴利くんから聞いたのだろうか。どうやら三雲先生も知っているらしい。

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