エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「あっちの方向に歩いて行ったから、たぶん屋上庭園にいるんじゃないかな。郡司のやつ、あそこでよく息抜きしているから」
「息抜きですか……」
それなら会いに行ってもいいのかな。
「三雲先生、そこって私も入れますか?」
「屋上庭園? うん。誰でも入れるよ」
そこに行けば貴利くんに会える。
「ありがとうございます」
私は三雲先生に頭を下げると屋上庭園へと急いだ。
*
八階建ての建物の屋上に着くと、そこはひんやりとした冷たい風が吹いていた。日はもう傾き始めていて、遠くの空がほんのりと茜色に染まっている。
太陽が昇っている昼間の時間帯に来たらぽかぽかと暖かくて気持ちのよさそうな場所だけど、十月の少し肌寒くも感じる夕方の空の下では人影もまばらだ。
屋上庭園にはベンチかいくつか置かれていて、その一番端っこに白衣姿の背中を見つけた。
大きな身体が、分かりやすく落ち込んでいるように丸まっている。
「貴利くん」
後ろから近づいてそっと声を掛けると、私の声に気が付いた背中がぴくんと反応した。