エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

 *

「そういえば貴利くんはいつから私が好きなの?」

 時刻はいつの間にか夕方になっていた。

 行為の最中に眠ってしまった私が目を覚ますと、すぐ隣で私の寝顔を見つめていた貴利くんと目が合った。

 そのまま起き上がる気にならなくて、ふたりでシーツにくるまりながらベッドでごろごろとしている。

 行為中何度も貴利くんから好きや愛してると言われて、そういえば彼がいつから私に好意を寄せてくれていたのか気になっていた。だから、聞いてみたけれど……。


「わからん」

「わからんって……」


 そんなはっきりと答えなくても。きっかけぐらいはあっただろう。続きの言葉を待つようにじっと見つめていると、貴利くんが仰向けに寝転がり天井を見つめた。


「父から千菜と結婚するように言われたとき、千菜を好きだと気が付いた」

「なぜそのタイミング?」


 私は玉蔵に貴利くんと結婚するよう言われたとき、どうしたら回避できるのかを必死になって考えていた。貴利くんとなんて結婚したくなかったから。

 でも、貴利くんは違ったんだ。お父さんから私と結婚するように言われて私への気持ちに気が付いたらしいけど、どうしてそのタイミングで気が付いたのだろう。

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