エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「三雲先生の話って貴利くんのことですよね」


 話したいことがあるからとわざわざ私の職場まで三雲先生が来たときからそう思っていた。きっと貴利くんとのことについて何か話があるのだろうと。

 それからすぐにココアが運ばれてきたので一口飲むと、三雲先生がさっそく話を切り出す。


「群司との結婚なくなったんだって?」

「はい」


 頷きながら私はココアの入ったカップをテーブルへ置いた。三雲先生が話を続ける。


「群司から聞いたけど、あいつが結婚をやめたいって言ったんだよね。群司がどうしてそう言ったのか、千菜ちゃんはその理由をあいつの口から聞いた?」

「いえ。貴利くんは、俺といても私は幸せになれないって言うだけで詳しくは話してくれませんでした。でも……」


 私は膝の上に置いた両手をぎゅっと握りしめる。


「貴利くんのお父さんから聞きました。貴利くんは来年の四月からアメリカへ行くんですよね。たぶんそれに集中したいから、私のことが邪魔になって捨てたんだと思います」


 そうは思いたくない。けど、貴利くんが突然私との結婚をやめたくなった理由を考え始めると、どうしてもその答えに行き着いてしまう。

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