エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「で、明日はなんのオペ?」
三雲が訪ねてくるので俺は答える。
「脳腫瘍だ。高松先生が執刀する。俺はその助手に入る」
患者は六十五歳、男性。断続的な頭痛が続いたため受診。脳MRIの結果、脳腫瘍の疑いがあり、明日、幹部摘出手術を受ける予定になっている。
そのオペのことで高松先生が俺を呼んでいるらしい。早く戻らなければ。
俺は、ソファから立ち上がると飲み終えた缶コーヒーをゴミ箱に捨てた。
「それじゃあ三雲。俺は戻る」
「俺はもう少し休憩してく。じゃあな」
ひらひらと手を振る三雲に背を向けると、「郡司」と呼び戻される。
「プロポーズうまくやれよ」
「ああ、もちろん」
俺は深く頷いた。
「えっ、プロポーズって……。郡司先生、ご結婚されるのですか?」
すると、そばに立っていた麻宮さんが驚いたような声を上げて俺を見る。
「あれれ。沙紀ちゃんったらそんなに驚いた顔しちゃって。郡司が結婚するって知ってショックなのかな?」
麻宮さんの反応を見た三雲が茶化すように声を掛けた。
「そ、そんなんじゃありません。それと名前で呼ばないでくださいっていつも言っているじゃないですか三雲先生」
「別にいいでしょ。俺と沙紀ちゃんの仲なんだから」
「どんな仲ですか!」