エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 持病に高血圧があり、薬を飲んでいるという春子さんは定期的に病院で検査を受けている。でも、大の病院嫌いで、家族に強制的に連れられるようにして仕方なく通っているそうだ。

 私としては、祖母に似ていて親近感を抱いている春子さんには元気に長生きしてほしい。だから、しっかりと定期健診を受けて、もしも何か大きな病気に繋がるようなものが発見されたら、少しでもその症状が軽いうちに治してほしい。

 突然、家で倒れて亡くなってしまった祖母みたいにはならないでほしいから――。

 すると、そんな私の不安を感じ取ったのか春子さんが穏やかに笑いかける。


「大丈夫だよ。私は千菜ちゃんのおばあ様の分も長生きして、千菜ちゃんを見守らないといけないからね。定期健診も来週しっかりと行くよ」

「そっか。それなら安心。長生きしてね、春子さん」

「当たり前さ。この図書館にもまだまだ読んでいない本がたくさんあるからね。それをすべて読むまでは死んでたまるもんですか」

「さすが春子さん」


 身体はやっぱりそれ相応に歳は取ってしまうけど、春子さんの心は若々しい。

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