エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「初めまして。梶さんの主治医をしています三雲です」
「初めまして。沢木と申します」
イケメン先生の名前は三雲先生というらしい。
爽やかな笑顔を向けられてまたも胸をきゅんとときめかせながら、私はぺこりと頭を下げた。
「ん? 沢木って名字どこかで聞いたような……」
顔を上げると、三雲先生が何やら私の顔を凝視している。好みのタイプの男性に、そんなにまじまじと見つめられたら焦ってしまう。突然どうしたんだろう。
動揺しながら視線を泳がせていると、三雲先生が尋ねてくる。
「沢木さん。お名前は?」
「えっ、名前ですか?……千菜と言います」
なぜ名前まで尋ねられたのだろう。もしかして三雲先生も私に少しだけ興味を持ってくれたのだろうか。私も三雲先生のお名前を聞いちゃおうかな。
そんな淡い期待を抱いていると、三雲先生が突然ハッとしたような表情を見せた。
「ああ、なるほど。もしかして君がそうなのか」
じっと私を見つめながらふむふむと頷く三雲先生を見て、館長が私にこっそりと耳打ちしてくる。
「沢木さん。三雲先生と知り合い?」
「いえ、今日初めてお会いしたと思うんですけど……」