エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「なんだ千菜か。どうかしたのか」
いや、あなたの方こそどうしたの?
私は、寝ている貴利くんを起こしただけなんだけど……と、先ほどの寝起きの叫び声に対して心の中で静かに突っ込みを入れる。
どうやらここを病院だと勘違いしたらしい。これはもうそうとう疲れている証拠だ。私とデートをするよりも睡眠を取った方がいいような気がしてしまう。
けれどそんな私の心配をよそに、電車がホームに着くと貴利くんは颯爽と降りていく。寝ぼけてはいたものの、どうやら移動中のわずかな睡眠で体力は回復したようだ。
すたすたとホームを歩いて階段を上っていく貴利くんの後を追いかけながら改札を出た。
それから向かったのは熟成肉が食べられるという肉バル。職場の同僚の小谷さんがこの店のお肉とお酒は最高だよとお昼休憩に話していたので興味があった。
ビルの二階にある店内はほどよく混みあっている。
日曜日だけれど平日と同じようにランチタイムサービスがあり、そのメニューの中から私はローストビーフ丼を、貴利くんは三元豚のステーキをそれぞれ注文した。セットでお酒も頼めるけれど、ふたりともソフトドリンクを選択する。