別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
「渚くん、君は如月沙織さんの息子さんだね?」
そして、父はそのことも忘れてはいなかった。
「……覚えていてくださったんですか」
「ああ。立派な男性に成長したな」
「佐倉先生……」
「ついこの間、君のお父さんも病院を訪ねて来たんだ」
「父がですか?」
「ああ。そのときにすべてのいきさつを聞いたよ。そして、どうか君のことを認めてほしいと頭を何度も下げて帰られた」
まさかの事実に驚き、渚さんと目を見合わせた。あれだけ私たちの交際に反対していた渚さんのお父さんがそんな行動をしていたなんて。
「謝らなければいけないのは私の方だ。あのとき君のお母さんを救えなくてすまなかった」
父が渚さんに向かって深々と頭を下げた。
「頭を上げてください。佐倉先生はなにも悪くない。心から感謝しています」
渚さんが父の肩に手をかける。頭を上げた父の目には涙が浮かぶ。
「渚くん、いろいろ葛藤があったと思うが、どうか凛子と湊斗のことをよろしくお願いします」
父のその言葉に渚さんは〝ありがとうございます。必ず幸せにします〟そう答えて深々と頭を下げ続けた。
ここまで来るまでにいろいろ遠回りをしてしまった。取り戻せない時間もある。
それでも大丈夫。
私たち家族なら乗り越えていける気がする。
これから三人で歩む未来はきっと明るいはずだ。私はそう信じたい。
そして、父はそのことも忘れてはいなかった。
「……覚えていてくださったんですか」
「ああ。立派な男性に成長したな」
「佐倉先生……」
「ついこの間、君のお父さんも病院を訪ねて来たんだ」
「父がですか?」
「ああ。そのときにすべてのいきさつを聞いたよ。そして、どうか君のことを認めてほしいと頭を何度も下げて帰られた」
まさかの事実に驚き、渚さんと目を見合わせた。あれだけ私たちの交際に反対していた渚さんのお父さんがそんな行動をしていたなんて。
「謝らなければいけないのは私の方だ。あのとき君のお母さんを救えなくてすまなかった」
父が渚さんに向かって深々と頭を下げた。
「頭を上げてください。佐倉先生はなにも悪くない。心から感謝しています」
渚さんが父の肩に手をかける。頭を上げた父の目には涙が浮かぶ。
「渚くん、いろいろ葛藤があったと思うが、どうか凛子と湊斗のことをよろしくお願いします」
父のその言葉に渚さんは〝ありがとうございます。必ず幸せにします〟そう答えて深々と頭を下げ続けた。
ここまで来るまでにいろいろ遠回りをしてしまった。取り戻せない時間もある。
それでも大丈夫。
私たち家族なら乗り越えていける気がする。
これから三人で歩む未来はきっと明るいはずだ。私はそう信じたい。