別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
それにしても、空白の三年なんてなかったんじゃないかと思うくらいに渚さんと湊斗は仲がいい。そして行動も性格も似ていて、さすが親子だなと思うときがある。

今日は電車に乗ってお昼ご飯を食べたあとに、渚さんのお父さんに会いに行くことになっている。

顔を合わせるのは三年ぶりだ。私たちのことを許してくれたとはいえ、会うのはやはり緊張する。

それでも、ちゃんとけじめをつけたいと思っている。そしてみんなに祝福される形で渚さんと家族になりたい。

「すごい。たかいたかいね～」

電車を降りてレストランに向かうと、個室の窓からは都内が一望でき絶景が広がっていた。

しばらく窓に張り付いて外の様子を見ていた湊斗だったが、自分が選んだお子様ランチが運ばれてくると、子ども椅子めがけて走って行った。

そんな湊斗を渚さんは軽々と持ち上げて椅子に座らせる。そして、料理が揃ったところで三人でテーブルを囲んで食事を始めた。

湊斗は大好物が並んだお子様ランチを目の前に上機嫌だ。

「パパ～。早くハンバーグ食べたい」

「ちょっと待ってな。今切るから」

足をブランブランさせながら手にはフォ―クを持って、渚さんがハンバーグを一口大に切り分けるのをまだかまだかと待つ湊斗。
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