君に不格好な愛を
Part5.想い出とトモダチ
「ヒュッ…ハァーッ…スー…ハァ…ゲホッ…ケホケホ」
「魅香、血!これで押さえて!!」
あたしは息をするので精一杯で、
心配する麗菜ちゃんにただ頷くばかり。
「月乃サン、保健室行くデース!」
冷静になると傷口が焼けるように、
ジクジクと痛んできた…。
「真由が連れていく!!」
背後からトゲのある声が飛んでくる。
振り返ると傷だらけの真由さん。
あれ…?あたしを下敷きにして、
全くの無傷だったよね?…何事?
真由さんはあたしにだけ聞こえる、
ドスの効いた声で『あのさ』と、
くどくどと文句を言い始める…。
要約すると…あたしがあんなに派手に、
巻き込まれた癖に全速力で走り出して、
驚いて自分も走ったら脚がもつれて、
一人でまた派手にやらかしたらしい。
…いや、知らんがな。
「ついでに!!真由が連れてく!!」
麗菜ちゃんとエミリアちゃんは困惑。
「…信用できない、結構よ。」
「ワタクシ達が連れて行くデース。」
『次は閉会式です。』
皮肉にも呑気なアナウンスが響き渡る。
「ほーら行かないと♡真由に任せて?」
真由さんはにんまりと微笑んだ。