御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
会場は百人くらい優に収容できるような広さのラウンジで、黒い大理石の壁側には食べたことのないようなフレンチ料理がずらっと並んでいた。シェフがその場で焼いてくれるロースト料理や香ばしいパイ料理のいい匂いが出入口まで漂ってくる。

あぁ、どうしよ。仕事で来てるってこと忘れそう……。

上を見あげれば、ドーンと大きなクリスタル製のシャンデリアがキラキラと輝いている。あれって海外からわざわざ取り寄せたうん百万もするやつだよね?

ひゃー、それを生で拝める日が来るなんて!

会場にいる紳士淑女を見渡せば、みんなどことなく気品があり綺麗なドレスを着て、身に着けている装飾品も高価そう、その場しのぎに先週買った安物のアクセサリーをつけている自分とは大違いだ。

所々に座り心地の良さそうな革製のソファーやローテーブルが設置されていて、参加者の人たちがその場の雰囲気を楽しんでいた。

まるで舞踏会みたい!

年齢層は二十代後半から四十代くらいかなぁ?

本当に独身なの? って感じの人もチラホラいるけど……。

ふと先日、友人が参加した婚活パーティーの話を思い出した。回転寿司のように男性が座っている女性の回りをクルクルと移動して、気に入った人の名札の番号を書き合えばマッチング成立という感じだった。けれど、ここに来ている参加者たちを見るとどこにも名札を身に着けている人なんていなかった。

なんか見れば見るほど場違いな気がしてきたよ……。

あぁ、なんか緊張してきた!
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