御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「蓮さんのお父様に妙な書類を送りつけたのは、洋司さんですよね?」
すると、眉を顰め口元に煙草を持っていこうとした彼の手が一瞬止まる。
「書類? 何のことだ?」
「しらばっくれないでください。匿名で送ったって手書きの筆跡でわかりましたよ」
「ふぅん、字で俺だってわかったんだ。春海はよっぽど俺のことが好きなんだな」
洋司さんは悪びれた様子もなく送り主は自分であるとあっさり認めた。しかもクスクスと小馬鹿にしたように笑われて腹が立つ。けれど、ここは穏便に済ませたいし、私には時間がない。
「もうあなたのことは好きでもなんでもないし、蓮さんに迷惑をかけるようなことしないで欲しいんです」
「蓮さん、ねぇ……」
すると、凭れていた塀から身を起こし、ゆっくりと私の元へ洋司さんが歩み寄ってきた。距離を詰められると、一気に緊張と警戒が走る。
「そんなビビるなって、俺の女だったのに別の男に横取りされるなんて癪だろ? しかも相手が有栖川の御曹司って、勝てるわけないじゃん。はぁ、俺、すんごい惨めだったんだよねぇ」
二股かけてたくせになに被害者ぶってるのよ……。まるで蓮さんが悪いみたいな言い方して!
「私と別れたって、あのボインちゃんがいるじゃないですか、今だってパーティーに来てるみたいだし、仲良くやってるんですよね?」
「なに、それってヤキモチ?」
ニヤッと笑って耳元に口を寄せられると、吐息に混じった煙草の匂いが不快感を一層煽った。うっと息をつめて一歩引く。
すると、眉を顰め口元に煙草を持っていこうとした彼の手が一瞬止まる。
「書類? 何のことだ?」
「しらばっくれないでください。匿名で送ったって手書きの筆跡でわかりましたよ」
「ふぅん、字で俺だってわかったんだ。春海はよっぽど俺のことが好きなんだな」
洋司さんは悪びれた様子もなく送り主は自分であるとあっさり認めた。しかもクスクスと小馬鹿にしたように笑われて腹が立つ。けれど、ここは穏便に済ませたいし、私には時間がない。
「もうあなたのことは好きでもなんでもないし、蓮さんに迷惑をかけるようなことしないで欲しいんです」
「蓮さん、ねぇ……」
すると、凭れていた塀から身を起こし、ゆっくりと私の元へ洋司さんが歩み寄ってきた。距離を詰められると、一気に緊張と警戒が走る。
「そんなビビるなって、俺の女だったのに別の男に横取りされるなんて癪だろ? しかも相手が有栖川の御曹司って、勝てるわけないじゃん。はぁ、俺、すんごい惨めだったんだよねぇ」
二股かけてたくせになに被害者ぶってるのよ……。まるで蓮さんが悪いみたいな言い方して!
「私と別れたって、あのボインちゃんがいるじゃないですか、今だってパーティーに来てるみたいだし、仲良くやってるんですよね?」
「なに、それってヤキモチ?」
ニヤッと笑って耳元に口を寄せられると、吐息に混じった煙草の匂いが不快感を一層煽った。うっと息をつめて一歩引く。