御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「もう絶対に君を離さない」

唇を落とされた薬指に指輪が通されると、薬指だけに熱を持つ。

「あぁ、ほんと……君が道路に飛び出した瞬間、パーティーで階段から落ちた君の手を掴めなかったときのことがフラッシュバックした。今度こそ捕まえられなかったら、本当に君を失ってしまうと思った」

指と指の間に蓮さんの指が絡みつく。しっかりと、もう離さないと言われているみたいだ。

「プレゼントしてもらったネックレスだけが、唯一蓮さんと繋がっている証だったんです。それなのに、ごめんなさい」

結局、ネックレスは見つからずじまいで申し訳なさが募る。

「君がここにいてくれるだけで。十分だ」

ふわりと腕に抱かれ、私も身体を委ねる。

「春海、今度こそ籍を入れに行くぞ、俺はもういい加減我慢できない」

「蓮さ――んっ」

性急に唇を奪われ、言葉も吐息も飲み込まれてしまう。

「ちょ、ちょっと……パイロットの方がいるのに」

一瞬、甘い雰囲気に蕩けそうになったけれど、チラッと横目に映ったパイロットの姿に我に返った。
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