まだ君に出会うまで、

そんな彼が転校生してきてから1ヶ月になった。
この日から私の生活は変わった。
朝学校に登校すると、なぜか下駄箱に靴がなかった。 「あれ? 入れたはずなのに?」
かなり不思議だったが、そのまま入った。
その後ろで、くすくす笑う声と舌を打たれた音がなった。
あ、彼女達がやったんだな、
私はすぐに察した。
彼女達はクラスの中心的存在の佐藤さんと小泉さんだ。
私と違って男女共に友達が多く男女から好かれている人達だ。
私ととても住む世界が違う人だ。
さすがに靴下で過ごすのもなんだから返してもらおうと声をかけた。
「ねぇ?私の靴知ってるでしょ?それなら返してもらえる?」
「はぁ? このクソ陰キャが話しかけんなよ」
「クソ陰キャですみませんね、じゃ返して貰えますか?」
「はぁ?知らねーしw人のせいにしてんなよw」
ほんとに話にならない。
聞く気にもなれないからほっておこうと思った時、
「ねぇねぇ佐藤さん、さやちゃんの靴の場所知ってるなら返してあげて? 」
「え?」
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