14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
 
 朝方の光が差し込んできて。
 リラはいつの間にか、愛人の傍らで眠っていたことに気づいた。
 ハッと目を覚ましたが、愛人はまだ目を覚ましていなかった。

「愛人さん…」

 そっと、愛人の頬に触れたリラ。

「っ…」

 ピクっと、愛人の瞼が動いた。

 ゆっくりと瞼が開いて…
 愛人が目を覚ました。

 まだぼんやりとしている視界に、愛人はもしかして見えなくなったのか? と思ってしまった。
 だが…。

 ゆっくりとリラを見た愛人。
 心配そうな目をして愛人を見つめているリラの顔が、ハッキリと両目で見えて目を見開いた。

「…ベル…リラ…」

 小さく名前を呟いた愛人は、そっとリラに手を伸ばした。

「愛人さん…見えますか? 私の事」
「ああ、はっきりと両目で見える。…こうして見ると良く判る。…あんたが、あの時のベルリラだって…」

 両手で愛人はリラの頬を包み込んだ。

「約束通り、傍にいてくれたんだな。…有難う…」
「…良かった本当に…」

「…ねぇ…退院したら、俺のもう一つのお願いを聞いてもらえないか? 」

 退院したら。
 その時はもう契約は終わって、リラはいないのに…。

 とりあえずリラは、ちょっと曖昧な笑みを浮かべた。


 無事に愛人が目を覚まして、手術も成功したのを確認したリラは竜夜に報告した。
 竜夜も大喜びで、学校が終わったら会いに行くと言っていた。



 
 それから愛人は手術の経過もとても順調で、リハビリをしながら回復を待っていた。

 リラは萌の秘書をしながら普通に仕事をしていた。




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