極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「澪音が喜んでくれてよかった。
俺はそれだけで満足だ」

促されてエレベーターに乗った。
それは上昇していき、五十四階のレストランフロアで停まる。

「食事をしていこう。
いいだろ?」

「はい」

断る理由もないので、一緒に店に入る。
予約してあったのか、個室へ通された。
しかし、一歩入ったところで足が止まる。

「澪音……!」

「……とう、さん?」

だって、そこで私を待っていたのは――父、だったから。

「……」

気まずいまま、無言で食前酒のシャンパンを口に運ぶ。
昼間っから酒なんて、とは思うが、七年ぶりの父との対面なんて酔っ払わないとやっていけない。

「結婚、したんだってな。
おめでとう。
まさか、相手が古渡工務店の御曹司だとは思わなかったが」

父は忙しなく視線をきょときょとと動かしながら、アミューズのアスパラを食べていた。

「……ありがとう。
今日、美代子(みよこ)さんたちは?」

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