極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「どうも、澪音の夫です」

再び古渡さんの腕が私にかかり、自分の方へと引き寄せる。
さらに高圧的に、裕一郎さんを見下した。

「橋倉です。
澪音とは昔、いろいろと」

その挑発、乗った。
とばかりに裕一郎さんもふふん、と鼻で笑う。

「……えっと。
裕一郎さんに夕食も食べていってもらおうと思うんですが、いいですよね?」

「澪音がそうしたいというなら、かまわないが」

とか言いつつ、古渡さんの腕は全く緩まない。
まるで大事な玩具を盗られたくない子犬のようだ。

「じゃあ、そういうことで……」

なんとなく、面倒なことになってしまった気がしないでもない。
しかし、古渡さんはわかるけど、どうして裕一郎さんまでこんな安い挑発に乗っているんだろう?

夕食の席ではずっと、古渡さんと裕一郎さんの間で火花が散っていた。

「澪音の兄弟子とのことですが、お仕事はもちろん、パティシエですか」

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