極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「ええ。
パリの二つ星レストランでシェフパティシエをしております。
今回はバカンスで一時帰国を」

ふたりとも一見、穏やかに話をしているように見えてどっちも完璧な作り笑顔なだけに、怖い。

「へぇ。
パリの二つ星レストランでね。
日本人だとなにかとご苦労がおありでしょう」

「まあ、それはそれなりに」

はっはっはー、なんてわざとらしくふたりとも笑っているが、なんでこんな腹の探り合いをしているのだろう。

「澪音、やはりフランス留学などやめた方がいいんじゃないか?
男でも苦労するような世界だぞ。
か弱い澪音が苦しむのは見たくない」

「私は多少の苦労なんて」

なにがなんでもフランス留学を反対したい古渡さんに抗議しようとしたものの。

「まあ、嫌がらせなんて、やる気と実力で黙らせてやればいいですからね。
澪音だったらそれくらい、できますよ」

それよりも早く、裕一郎さんが口を出してくる。
< 135 / 178 >

この作品をシェア

pagetop