極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
ナイフとフォークを置いた裕一郎さんが、真っ直ぐに私を見る。
その視線は彼の気持ちは本気だと、感じさせた。
それとは反対に私を見ている古渡さんは、レンズの奥から私を睨んでいた。
絶対に行かせない、そう強い意志で語るそれに、上がっていた気持ちは一気に落ちていく。

「嬉しい、です。
けど、まだオープンして日も浅い、店を放っていくわけにはいかない、ので」

店を放って行けないのは本当だ。
だけど、この契約が終了するまでは私にそんな自由はない。
それに絶対、古渡さんが――許してくれない。

「と、いうわけだ」

はっ、と小馬鹿にするように笑った古渡さんは、どこかほっとしているように見えた。

「そうか、残念だな。
でも澪音、気が変わったらいつでも言ってね。
僕は澪音のためだったら、なんだってするから」

「ありがとうございます」

裕一郎さんの言葉に嘘はない。
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