極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
三月が近づいたら、彼と連絡を取ろう。
そしてここを、出る。
私は、そうしなければならない。

「しばらく師匠のところへ通おうと思って、ホテルは店の上を取ってあるんだ。
こっちにいる間は、よろしく」

靴を履きながら、さりげなく裕一郎さんが教えてくれる。
古渡さんは俺は用がないだろ、と見送りには出てこなかった。

「ほんとですか?
じゃあ、またお話、聞かせてもらえますね」

「ああ。
じゃあ、また近いうちに」

「今日は嬉しかったです、ありがとうございました」

ドアが閉まって彼が見えなくなり、部屋の中へ戻ろうと振り返る。
と、そこには古渡さんが立っていた。
凍えるほど冷たい目で、私を見下ろして。

「あの男とはどういう関係だ?」

一歩、彼が前へと足を出し、自然と壁へと追いやられる。

「だから、同じ白井さんに学んだ兄弟子で、それに会ったのは小学生以来、今日が初めてです」

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