極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「お帰りなさいませ、奥様」

いつもどおり、薗原さんが出迎えてくれた。
地下駐車場に停まっていた車は四台だったから、きっとまだ古渡さんは帰っていないはず。

「ただいま。
古渡さんはまだ……」

そこまで言って、口が止まる。
玄関にはいかにも女性ものな、ヒールの高い靴があった。

「……お客様?」

「はい。
五十嵐様がおみえになっております」

「ああ、そう……」

気が抜けてリビングへ行くと、コーヒーを飲んでいる所長が見えた。

「所長、おひさしぶりです」

「ひさしぶりだな、染宮。
……いや、いまは古渡か」

カップをテーブルへ戻し、所長が困ったように僅かに笑う。

「染宮でけっこうです。
古渡は一時的な名前ですし」

「そうだな」

「それで、今日はどのようなご用件で?」

用がなければ所長がここに来るはずがない。
もしかして古渡さんから、解約が連絡されたんだろうか。
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