極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
以前の私なら気になってもきっと、訊かなかったであろうことを。

「あー……。
……気になる、か」

一音発してしばらく止まっていた彼女だが、すぐに曖昧に笑った。

「……一応」

「まあ、そうだよな。
あれだ、一時期、古渡のたくさんいる恋人の、ひとりだったことがある」

意外でもなんでもない答えで、驚くどころか返って冷静だった。

「私としては本気だったが、あいつは好きだ、愛してるって言うくせに全然本気じゃないんだ。
それで別れた。
それだけの仲だ」

彼女としては珍しく、頬を赤く染めてカップを口に運ぶ。

「染宮には悪いが、いくらあいつを好きになったところで無駄だぞ。
あいつは広く愛しているが、誰も愛していない。
まあ、夢しか見えてない染宮なら大丈夫だと思うが」

カップを置き、彼女が姿勢を正す。

「はい、夢を叶えるまでは恋なんてしませんから!」

それに笑って、頷く。
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