極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
きっと所長は、私が古渡さんに恋などしない安心感から、この契約を勧めたんだ。

「せっかくだから夕食も食べていきませんか」

「いや。
あいつとはなるべく、顔をあわせたくないからな」

玄関まで所長をお見送りする。

「なんかあったらいつでも連絡しろ。
襲われたらその場で、契約破棄していいからな!」

何度も彼女は私の念押しするが、もう襲われたあとです、とは言えない。

「わかりました」

「またそのうち、様子を見にくる。
じゃあ……」

――ガチャッ。

彼女がドアに手をかけようとしたところで、反対側から開いた。

「澪音、かえっ……」

飛び込んでこようとした人が、急ブレーキでその場に足を止める。
さらにこほんと小さく咳払いし、その人――古渡さんはなかったかのように取り繕った。

「どうして、澄美が?」

「お前が染宮を襲ってないか、心配で見にきたんだ!」

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