極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「お、襲ったりするわけないだろ、契約破棄になるのに」

食いつく所長に弁明しながらも、古渡さんの視線は泳いでいる。

「わかってるならいい。
染宮を大事にしないと、許さないからな!」

「大事にしてるに決まってるだろ。
澪音より大事な女なんていないんだからな」

所長を見下ろした古渡さんはなぜか得意げだ。

「なら、よし!
じゃあ、私は帰る!」

立ち塞がる古渡さんを押しのけ、所長は帰っていった。

「えっと。
……おかえりな、さい」

気まずいまま、顔は見ないで声をかける。

「……うん」

それだけ言って、先に中へ入っていく。
今日もやはり、機嫌は悪いのかと気が重くなった。

夕食は一緒に食べた。

「……」

なにか言いたげに私を見て、視線があうとさっと逸らす。

……もしかして、古渡さんも仲直りのタイミングを計っているのかな。

そう気づいて、箸の進みがよくなった。
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