極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
それでも結局、どちらからとも話しかけられなかったが。

「澪音」

一言も話さないまま食事が終わり、部屋に戻ろうかどうしようか悩んでいたら、やっと古渡さんが私を呼んだ。

「話があるんだ。
少しいいか」

「はい」

話とはいい話なんだろうか、悪い話なんだろうか。
緊張で、手のひらが汗を掻いてくる。
促されてソファーに座ろうとしたタイミングで。

「奥様にお客様がおみえになっております」

「ああ、そうか……」

盛実さんに告げられ、古渡さんがあきらかにがっかりした顔をする。

「こんな時間に誰だ?」

「橋倉様です。
帰っていただきますか」

「いや、いい。
通せ」

私を訪ねてきたのに私の意見など訊かずに、勝手に彼が決めてしまう。
もっとも、帰ってもらえ、とか言っていたら抗議していたとは思うけど。

「こんばんは、遅い時間にすみません。
でも、澪音には早く伝えた方がいいと思うから」

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