極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「結婚式での誓いのキスは仕方ないが、それ以外は染宮に指一本手出ししてはならないことになっている。
そんなことをしたら即契約破棄で離婚だ」

所長はそう言っているが、さっきのあれでそれはかなり信憑性がない。
しかしながら契約を持ち出せば、どうにかなりそうな気がしないでもない。

「そういえば、結婚、結婚と言っていますが、これは形だけのものなんですよね?」

「いや。
入籍も条件に入っている。
そうでないと古渡のご両親を騙せないからな」

トン、と所長が指をついた場所には確かに、そう書いてあった。

「いきなりこんな話、決めろと言われても無理だというのはわかっている。
ただ、この話は染宮にはいいチャンスだとは思う。
金が、必要なんだろ?」

「そう、ですね……」

所長は私が、留学資金を貯めるためにこの仕事をしているのは知っている。
その先の、夢も。
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