極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「少し落ち着かれたらどうですか」

しれっと所長にそれだけ言って出ていった森下さんは侮れない。

「ああもうっ、どいつもこいつも……」

挿されたストローを抜いてそのへんに投げ捨て、所長はグラスから直接、ごくごくと一気にアイスコーヒーを喉に流し込んだ。

「……はぁーっ。
それで、だ」

冷たいアイスコーヒーであたまも冷めたのか、傍らに置かれていたファイルを彼女は私へ差しだした。

「これが、今回の契約内容だ」

ファイルを受け取り、中を確認する。
所長の説明によると、結婚期間中は夫婦で出席しなければいけないイベント事などを除き、あとはなにをしてもかまわない。
エステも、買い物も全部、経費として古渡氏持ち。
家事の一切はもちろん、使用人がやってくれる。
唯一の禁止事項が男遊び、となんだか詐欺にでもあっているんじゃないかと疑いたくなるほど好条件だった。

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