極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
しかしこちらには、そんなことをすれば即契約破棄で離婚の切り札があるのだ、それでなんとかなる……のか?

「……所長と古渡さんはどういう関係なんだろう?」

付き合ってはいない、とは言っていた。
けれどあのふたりは、ただならぬカンケイにみえてならない。

「ま、そこは関係ないことだし!」

止まった手を、ラストスパートだと勢いよく動かす。
すぐにメレンゲは美しく、ピン!と角を立てた。

シフォンケーキが焼き上がるまでの時間、もらった契約書類を見ながら待つ。
古渡氏のあの女たらしな性格と、一度離婚することになるので戸籍に傷がつく以外は本当にこれでいいのか?
というくらい、こちらに有利な条件だった。

「あ、焼けた」

オーブンの音で中を確認してドアを開ける。
いい焼け具合、だったのでいつのまにかシフォンケーキ専用になってしまった空き瓶の上にひっくり返す。

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