極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
運転中の古渡さんは得意満面だが、よくあれでバレなかったなって感心するほどだったんだけど。

「本当に素敵なご両親でしたね」

「だろ?」

お義母さんもお義父さんも、私の境遇に同情してくれた。
これからは家族になるんだ、なんでも頼りなさい、って。

――しかし。

「でも私は、あんなにいい人たちを騙しているんですね」

「良心でも痛むか」

さっきまで笑っていた癖に、古渡さんが急に真顔になった。
彼でもやはり、悪いという気持ちがあるのだろうか。

「そう、ですね。
でも事実を話すわけにはいかないので娘でいる一年間、できる限りの親孝行をして罪滅ぼしをします」

「そうしたらいい」

俯いていた顔を上げる。
くよくよ悩んでいても仕方ない。
まだ、契約ははじまったばかりなのだから。

「ついでに夕食、食って帰るだろ」

ごく自然に、さらっとまるで付き合っているかのように彼が言ってきた。

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