極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「いえ。
それは契約外なのでけっこうです」

私としては必要最低限しか、彼と付き合いたくない。
彼といるとこう、……とにかく、疲れるので。

「相変わらずつれないな。
アイツの教育が行き届いているからか」

くつくつと喉の奥を鳴らしておかしそうに古渡さんが笑う。
アイツ、とは所長のことだ。

「了解。
どこか寄るところはあるか?
ないなら真っ直ぐ送り届けるが」

「はい、家で大丈夫です」

古渡さんはその言葉どおり、アパートへ直接、私を送ってくれた。

「次の予定はまた連絡する。
じゃあ」

「はい、ありがとうございました」

私を降ろし、彼は通りかかる人の視線を集めつつ帰っていった。
あの車は目立つから、仕方ない。



その後もつつがなくすべてが進んでいった。
結婚の話は父には連絡していない。
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