極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
東峰さんが私を馬鹿にしているは理解していた。
さらに古渡さんまで私を貶めるのかと思ったものの。

「もう、とびっきり可愛いし、行儀もよくできている。
さらには気品もあって、そのへんのただの血統書付きなんかよりも、いい猫ですよ」

「なっ……!」

挑発するように古渡さんが右の口端をつり上げ、東峰さんの周囲がざわめいた。
当の東峰さんといえば、静かに笑みを浮かべているだけだったが。

「それはよい猫を手に入れられたようで」

東峰さんが軽く手を上げ、周りの人間は不満そうな表情で口を噤んだ。

「ええ。
今日は東峰さんに私自慢の猫を紹介できてよかったです。
……行くぞ」

「えっ、あっ」

彼に手を掴まれ、立ち上がる。
そのまま少し進んだ先で通りかかったボーイからグラスをふたつ受け取り、ひとつを私に勧めてくれた。

「……よかったんですか、あれ」

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